こんにちは。
- 「FXって通貨がいっぱいあるんですけど・・・よく意味がわからない・・・」
- 「それぞれの通貨の特徴って何?」
今回はそんな疑問を解決するために「FXの通貨と種類・それぞれの特徴」を解説していきたいと思います。

- メジャー通貨の種類と特徴
- マイナー通貨の種類と特徴
- 初心者の方にオススメの通貨ペア
それでは順番に見ていきましょう!
通貨ペアとは?
(主な通貨ペア一覧)
「通貨ペア」とは、FXの実際の取引で売買する通貨の組み合わせのことです。
例えば「円と米ドル」「ドルと米ポンド」「ユーロとポンド」みたいな2通貨の組み合わせを指して「通貨ペア」と呼びます。

通貨の種類について
通貨は「メージャー通貨」と「マイナー通貨」の2種類に分けられます。
メジャー通貨とは?
「メージャー通貨」は、世界的な信頼性と需要を確立した国際通貨のことを指します。
「メージャー」という名の通り世界的に有名な通貨であり、FXの取引でも最もよく使われる通貨となります。
主なメジャー通貨
- 米ドル(USD)
- ユーロ(EUR)
- 日本円(JPY)
- イギリスポンド(GBP)
- カナダドル(CAD)
- スイスフラン(CHF)
- 豪ドル(AUD)
マイナー通貨とは?
「マイナー通貨」は、メージャー通貨とは逆にFXの取引ではあまり取り扱われない通貨のことを指します。
主なマイナー通貨
- ニュージーランドドル(NZD)
- メキシコペソ(MXN)
- 南アフリカランド(ZAR)
- トルコリラ(TRY)
メジャー通貨の特徴

米ドル(USD)
米ドル(USD)は、世界の基軸通貨と呼ばれる通貨です。
ココがポイント
- 世界の基軸通貨
- 最も流通量の多い通貨
- 最も取引量の多い通貨
世界で「一番流通量」「取引量の多い」有名な通貨であり、FXを行う上で一番触れる機会が多い通貨かなと思います。
取引量が多いがゆえに値動き(ボラティリティ)は小さめです。
世界の経済指標ですのでアメリカ主導で動くことがほとんどであり、ドル絡みの通貨ペアというのはアメリカ経済の影響を受けやすいです。
特に米経済指標には要注意する必要があり、毎月第一金曜日に行われる「米国雇用統計」は必ずチェックしておくべき項目の1つです。
ちなみに一昔前までは「米国雇用統計」はお祭り騒ぎになるほど値動きが激しかったですが、最近ではそこまで大きな動きになることは無くなってきました。

ユーロ(EUR)
ユーロ(EUR)は、ドイツを中心とした欧州連合(EU)で流通している通貨です。
ココがポイント
- 欧州連合(EU)で流通している通貨
- 米ドルに対抗できる一番手
- 取引量は米ドルに続いて世界2位
「米ドル、ユーロ、円」この3つは世界三大基軸通貨(世界で最も取引量が多い)と呼ばれる通貨です。
ユーロ(EUR)は、米ドルの影響を受けやすいのが特徴で、
- 「ドルが売られる」→「ユーロが買われる」
- 「ドルが買われる」→「ユーロが売られる」
一般的にはこのような相対関係にあります。
アメリカに何か不安材料がある場合は「ユーロを買う人が多く」、ドルが良さそうだなというときは「ユーロを売る人が多い」そんな傾向があります。
ですのでどっち主導で動いているのか見極めるためにも、ユーロと米ドルの動きはチェックしておくことが大切になってきます。
またユーロは欧州時間から動き出すことが多く、一旦トレンドが出ると伸びやすい傾向にあります。

日本円(JPY)
日本円(JPY)は、私達日本人には説明不要の通貨だと思います。
ココがポイント
- 世界で3番目に取引量の多い通貨
- FXでは「米ドル/円」が特に取引される
- 対日本円の通貨ペアのことを「クロス円」とも呼んだりする
日本円は『米ドル』や『経済指標』の影響を受けやすい通貨です。
世界的な景気が良ければ売られ、悪ければ買われるのも特徴です。(「有事の円買い」とも呼ばれています)

ですので一般的には国際状況に悪材料がある場合は、円売りは控える方が良いでしょう。
また他国主導で動くことが多いので、東京時間以外(オーストラリア時間・ロンドン時間・ニューヨーク時間など)でも円が絡んだ通貨ペアは活発に動きます。

イギリスポンド(GBP)
イギリスポンド(GBP)は、かつて世界の基軸通貨と呼ばれていたことがある通貨です。
ココがポイント
- 世界で4番目に取引量の多い通貨
- 「ポンド/円」は値動きが激しいのが特徴
- 値動きが激しいので「ハイリターンを狙うトレーダーに人気の通貨ペア
「米ドル、ユーロ、円」に次ぐ4番目の基軸通貨です。
ただし4番目ですが、3大基軸通貨に比べると流動性は低いです。
それが故に市場が薄いので大きな動きがでやすく、値動き(ボラティリティ)が激しいのが特徴です。
値動き(ボラティリティ)が激しいので投機対象として見られやすく、別名「殺人通貨」とも呼ばれています。
「値動き(ボラティリティ)が激しい」「殺人通貨」という異名を持つので怖い印象を抱くと思いますが、実はユーロは投資家の中でも好きな人が多いです。
理由としては「大きな値幅を狙える=大きな利益を狙うことができる」からです。
またテクニカルなチャート分析もやりやすい通貨なので、ユーロは人気な通貨となっていますね。

カナダドル(CAD)
カナダドル(CAD)は、米ドルや日本円に比べると取引量は少し劣って世界6位の通貨です。
ココがポイント
- 世界で6番目に取引量の多い通貨
- カナダは地理的な観点から米国との関連性が深い通貨
- 世界トップクラスの資源国通貨
カナダドルは地理的な観点から米国との関連性が深い通貨です。特に輸出貿易量については全体の7割以上と大きなシェアになっています。
そのため、米国経済や株価が下落するとカナダ経済にも悪影響を与えカナダドルの下落圧力に繋がりやすい傾向にあります。さらにカナダドルの為替の方向性を掴む上でとくに重視すべきは「エネルギー資源」「鉱物と森林資源」になります。
原油はもちろんですが「金」や「銀」においても潤沢な埋蔵量を誇っており、それらの市場価値がカナダドルの価格に強く影響する特徴があることから為替市場に置いては代表的な資源国通貨に上げられています。
ただし資源による影響は少なめです。
米国経済、特にドル・原油の影響が強く出ますので
- 米ドルが買われている→カナダドル(CAD)売り
- 原油が買われている→カナダドル(CAD)売り
といった傾向があります。
ですのでカナダドル(CAD)を扱う場合は、原油価格・米ドルに影響されて動きやすいということは頭に入れておきましょう。

スイスフラン(CHF)
スイスフラン(CHF)は、永世中立国であるスイスの通貨であり財政の健全性も高いです。
ココがポイント
- 永世中立国の安全通貨
2015年のスイスフランショック(大暴落)が記憶に新しい通貨ですね。
ただし基本的にはスイス自体が永世中立国であるだけでなく、経常黒字国であるなどスイスの実力そのものが高いため「安全通貨」とも呼ばれています。
日本円・ゴールドと相関関係があり
- リスクオフ時→買い
- リスクオン時→売り
といった傾向があります。
リスクオフ・・・投資家がリスクを回避するようになり、より安全な資産に資金が向かいやすい相場状況を表した金融用語。詳しくはこちら
リスクオン・・・投資家がリスクを取って、リターン(収益)を追求しやすい相場状況を表した金融用語。詳しくはこちら

先程も記述したように、スイスフラン(CHF)は日本円・ゴールドと強い相関関係がありますので、スイスフラン(CHF)のチャートが良いと思った場合は「日本円・ゴールドで取引してみる」などといった見方でも良いかなと思います。
豪ドル(AUD)
豪ドル(AUD)は、世界で5番目に取引量の多い通貨です。
ココがポイント
- 世界で5番目に取引量の多い通貨
- 資源国通貨の代表
- 豪10年債利回りと米10年債利回りの相関関係が高い
ただし世界で5番目に取引量の多い通貨と言っても、全体的な取引通貨から見ると6~7%程度ですので全体で見ればそこまで取引量が多いとは呼べません。
しかし資源国通貨(鉄鉱石や石炭が豊富な国)の代表格になりますので、主に鉄鉱石や石炭などを輸出しておりコモディティ市場との相関関係が多く見られます。
コモディティ市場・・・カカオ、果物、砂糖などの第一次産業の産品および金や石油などの鉱業産品が取引される市場のこと。
特にオーストラリアは、輸出先の30%が「中国」となります。
ですので中国経済の影響を受けやすいという特徴があります。
例えば中国の経済が悪化すると、輸出量も減ってしまいますのでオーストラリアの経済も悪くなってしまいます。
米中貿易問題なども影響してきますので、豪ドル(AUD)を扱う上では中国の動向はチェックが必須となります。
値幅は比較的小さく、トレンドが長く続くことが多いのも特徴です。(ただし大きな調整が入りやすいので注意)
トレンドに上手く乗ることが出来ればビックトレードに繋がりやすいです。

マイナー通貨の特徴
ニュージーランドドル(NZD)
ニュージーランドドル(NZD)は、政策金利が高かったため人気の通貨ペアでしたが現在は利下げで魅力が薄れました。
ココがポイント
- 昔は政策金利が高く人気だった
- 農作物などの資源輸出国
先程の豪ドル(AUD)と同じく「資源国通貨」と呼ばれています。
農作物などの資源輸出国なので、「干ばつ」などの天候状況によって為替レートが変動しやすいです。
オーストラリア・中国の経済に影響を受けやすく、リスクオン時に買われやすい特徴があります。
リスクオン・・・投資家がリスクを取って、リターン(収益)を追求しやすい相場状況を表した金融用語。詳しくはこちら
基本的には豪ドル(AUD)と同じ方向で考えたほうがよい通貨です。
ですので『豪ドル(AUD)を買ったときにニュージーランドドル(NZD)を売る』といったことは控えたほうが良いかなと思います。

ダマシ・・・相場のセオリー(もしくはテクニカル分析などでなにかしらのトレードサインが出ているにもかかわらず)通りに動かずに、逆方向に動いてしまうこと
メキシコペソ(MXN)
メキシコペソ(MXN)は、金利が高い通貨と呼ばれています。
ココがポイント
- 金利が高い通貨の代表格
- スワップポイント狙いで「メキシコペソ/円」を扱うトレーダーもいる
- 米ドルの値動きに左右されやすい
スワップポイント狙いで「メキシコペソ/円」を扱うトレーダーも多くいるのですが、アメリカの経済にかなり影響されやすい通貨であり、米ドルの値動きに注意しながらトレードするのが良いでしょう!
南アフリカランド(ZAR)
南アフリカランド(ZAR)は、金やダイヤモンドなど「鉱物資源」の値動きに影響されやすい通貨です。
ココがポイント
- 鉱物資源の値動きに影響されやすい資源通貨
- 政策金利の高さが人気
一時期よりは下がりましたが、政策金利の高さが非常に人気です。
ただ政情不安でのカントリーリスクには常に注意をしないといけない通貨です。
カントリーリスク・・・投資対象国や地域において、政治・経済の状況の変化によって証券市場や為替市場に混乱が生じた場合、そこに投資した資産の価値が変動する可能性のこと。
トルコリラ(TRY)
トルコリラ(TRY)は、高金利の新興国通貨として注目されている通貨です。
ココがポイント
- 高金利の新興国通貨として注目の通貨
- カントリーリスクが高い
- スワップポイントが高い
国自体が安定していないのでカントリーリスクは高いですが、スワップポイント狙いで扱うには適した通貨と呼べるでしょう。
初心者の方にオススメの通貨ペア
もし初心者の方が裁量トレードを行うのであれば初めは「ドル/円」「ユーロ/ドル」といった米ドルが絡んでいる通貨ペアを扱うのがおすすめです。
『米ドルが下落するとユーロが上昇する』といった相関関係も強いですのでどちらも取り扱っておくとリスクの軽減に繋がりやすいからです!
特に「ドル/円」は圧倒的に取引量が多く、値動き自体も他の通貨に比べると穏やかです。
取引量が多いということは情報が多い通貨ということですので、とにかくSNSなどでも情報をすぐに得やすいので、初心者の方でも扱いやすい通貨ペアと言えるでしょう!
米ドル円のメリット
- 証券会社の手数料(スプレッド)が安く設定されているのでスキャルピングやデイトレードにもオススメ
- 元のレートに戻ってきやすい

まずは取引量も多く、情報量も多い「ドル円」から初めて見るのが良いかなと思います!
最後に
メジャー通貨はFXを取引する上で非常によく扱いますので「通貨の特徴」などを知った上で取引していくと良いでしょう!
もし初心者の方が裁量トレードを行うのであれば初めは「ドル/円」「ユーロ/ドル」などの米ドルが絡んでいる通貨を扱うのがおすすめです。
そこから派生していく感じで別の通貨ペアに広げていくのが個人的には良いかなと思いますね。
また裁量だけでなくFX自動売買を使用する上でも必ず通貨ペアは存在しますので、知識として頭に入れた上で運用していくのが良いかなと思います。

それでは。