こんにちは。
皆さんは、甲村柳市(こうむら・りゅういち)さんっというお方をご存知でしょうか?
写真を見ると、凄く良いところ出身のエリートのような感じがどことなくしてきます。
僕がこの甲村さんを知ったのはたまたま目に入ったYahooニュースの記事。
なんとなく読んで、度肝を抜かれました。
今、人生のどん底にいる人って多分いると思います。
特にこのコロナの影響で、仕事を失った人、雇い止めになった人、などなど。
他にも、今の自分の現状に絶望して人生諦めかけている人。
そんな人にこそ、甲村さんのことを是非知ってほしいなと思います。
甲村さんを知ると、人間って「メンタル」「考え方」「行動力」この3つが揃えば、できないことなんて無いんじゃないかなって思わされます。
今、十分幸せって方でも、自分の人生のプラスになると思うので、是非読んでほしいなと思います。
甲村柳市さんのプロフィール
甲村柳市さんの最終学歴は「中卒」。
そして、誰もが知る山口組系列の「義竜会」という組に所属するバリバリの暴力団員だった。
暴力団になったきっかけはスナックで「『ヤクザ、してみいひんか』と悪いおっさんに誘われたから」
暴力団事務所での電話番や組長のボディーガードを経験。
舎弟を何人も引き連れており、刑務所にも3度服役。
その後、慕っていた会長がカタギになるに伴い、自身もヤクザを引退しカタギの道へ。
カタギになってからは、「雇われるのは性に合わない」という理由でキャバクラ経営、家電の輸出会社経営、興信所などなどの事業に乗り出した。
しかし次第にキャバクラの経営が傾きはじめ、そこからは全ての事業が自転車操業に。。。
そしてついには全てがパンク。
財産を全て使い果たし、自身の出身地である岡山に戻ることになった。
4度目の逮捕・・・からの・・・
ほぼ一文無しになり、自身の地元である岡山県に戻った甲村さんだったが、近所のスナックで警察官とトラブルを起こしてしまい、公務執行妨害で現行犯逮捕されてしまう。
前科もあったことから、広島刑務所に放り込まれることに。
服役はこれで4度目。
この時すでに38歳。
まとめサイト風にタイトルをつければ「人・生・完・全・終・了」自暴自棄になってもおかしくないはずの状況だ。
しかし「過去をクヨクヨ振り返らない」という甲村さんはこう考えた。
「この時間をマイナスに使いたくない」
そして収監されていた刑務所で「法律にちょっと興味があったからちょっとかじってみようかな」と「司法書士の問題集」を手に取り読み始めた。
「ちょっと難しい大人のなぞなぞみたい」
「なんかイケるんちゃうかな」
そんな感覚で読み進めていくと、段々と頭の中に知識が入っていった。
「40までに何かの道で成功したい」そう思っていた甲村さんにとって、「法律を学ぶことは自分の性格に合うんちゃうかな」と思い立ち、法律を本格的に学ぶことを決心。
それから刑務所の中で、法律の勉強を本格的に始めた。
3回連続、懲罰房にブチ込まれる・・・
ある日、「7人も8人もおる雑居部屋で勉強なんかできん」と思った甲村さんは、
「そやから一人部屋に入れてくれって(要望)。それができへんのやったら全部拒否や!」
刑務官に一人部屋に移してほしいと要望。
当然拒否されたが、甲村さんも抵抗して拒否(笑)
その結果、刑務官に歯向かったとして懲罰房(刑務所内で問題を起こすとこの懲罰房に入れらる)に放り込まれた。
こうして狙い通り1人部屋に移ることに成功したという。
1回の懲罰房行きを喰らうと、45日間ほど何もない狭い独居房で生活しなくてはならない。
甲村さんはそれを意図的に3回連続で繰り返した。
懲罰房でひたすら勉強
懲罰房には、テレビ・ラジオ・本・鉛筆などは当然なし。
あるのは洗面用具、箸、トイレットペーパーくらい。
当然、六法全書などの持ち込みは禁止だが、事前に六法全書を手紙の便箋に小さな字で何百条も書き起こしておき、独居房のカレンダーの裏に隠しておいた。
「その便箋を(刑務官に見つからないように)引っ張り出してご飯粒で壁にだーっと貼り付けて勉強した」
「朝から晩まで(あぐらをかいて)六法全書ずーとアタマん中に詰め込んで詰め込んで×45日」
懲罰房では、ひたすら六法全書を暗記した。
この時、こう思ったという。
「人間の脳ってこんな凄い能力あるんかなって自分でもビックリしました」
「ほんまにね、一字一句全く間違えずに記憶できるんです。」
「人間の脳ってこんな素晴らしい能力がある(笑)・・・いやマジですわ」
「覚えるのも楽しいし、何かしらんけど懲罰も楽しかったんかな。懲罰平気やったです(笑)」
3回目の懲罰房を出た後は「また拒否して懲罰房に戻ろう」と思った。
しかし受刑者達の間ではいつの間にか法律の勉強をしていることが噂になっており「4回目の懲罰房はあかん」と仲間が引き止めてくれた。
担当の刑務官や周りの受刑者達も自分に協力してくれるようになったという。
司法書士の合格率は・・・
ところで司法書士試験というのは民法、商法、憲法、刑法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、不動産登記法、商業登記法、供託法の10教科+記述式試験からなる試験である。
1教科をやり終え次の教科に向かうと、 覚えた頃には前の教科を忘れている。
そんな試験だ。
合格率はわずか3%。
必死こいて勉強してきた頭の良い人達が挑んでも、100人受けて3人しか合格しない試験である。
甲村さんのスペックは「中卒」「年齢38歳」「元ヤクザ」。
しかも「服役中」。
正直、合格できる理由を探すほうが難しい。
100人いたら100人無理だと言うだろう。
というか1億人いたら1億人が無理だと思うレベルだろう。
なにより自分自身で「絶対無理」と決め込み、挑戦しようとすら思わないレベルである。
しかし、甲村さんはそんなことを微塵も考えなかったという。
「無理とは思ってないですから。何も考えてないから」
「ただ楽しいから。やっていくうちに段々理解してくるから。そしたらある程度自信がついてくる」
「そしたら、いけるんちゃうかなって思って」
ちなみに甲村さんが司法書士の合格率がわずか3%と知ったのは、刑務所を出所してからだった。
「おいおい、100人受けて97人落ちるやないかいw」と思ったとか。
でも受験資格に特に学歴などの制限がなかったことが大きかった。
そして「難しいからこそやりたかった」と。
宅建と行政書士に挑戦
出所後、甲村さんはまずは「宅建」に挑戦。
「宅建」は司法書士などの国家試験に比べれば、そこまで難しくないと言われている試験だ。
それでも宅建試験の合格率は約15~17%。
それなりの難易度がある試験なので、もちろん簡単には受からない。
しかし甲村さんは、民法以外を「ちょこちょこっと勉強した」だけで、「当たり前に合格するやろう」と思いこんでいた。
そして本試験の3週間前になり、「宅建はどんな問題がでるんかなぁ」と大きな書店に立ち寄り、宅建の問題集をその時、初めて開いたという。
そしてこう思った。
「これは(勉強せんと)ヤバい・・・」
その後、3週間みっちり勉強し、なんと一発で宅建に合格。
それだけにとどまらず、行政書士にも続けて合格してしまった。
司法書士試験挑戦は甘くなかった
そしてその波に乗って本命である司法書士に挑戦するのだった。
しかし・・・
司法書士試験挑戦1回目→不合格
司法書士試験挑戦2回目→不合格
司法書士試験挑戦3回目→不合格
司法書士試験挑戦4回目→不合格
司法書士試験挑戦5回目→不合格
司法書士試験挑戦6回目→不合格
「宅建」「行政書士」と順調に受かった甲村さんだったが、やはり司法書士はレベルが違うのか挑戦した6回全て不合格。
普通であれば心が折れても不思議ではないが、甲村さんは諦めることは一切頭になかった。
「僕はしつこいから、諦めはしない」
しかし、周りの反応は冷ややかだった。
近所の人や色んな人に会うたびにこう言われ続けた。
「絶対無理」
「やめとけ」
「それが気に入らんのよね。意地になりましたね」
「(自分は)人にバカにされたくないとか負けたくないとか、そういうプライドが強かった」
それが逆に着火剤なった。
勉強時間は多いときで1日12時間以上、平均7時間8時間、それを8年間続けた。
でも遊ぶことも決して忘れなかった。
「カレンダーに赤丸がある日(土曜日、日曜日、祝日)は必ず命いっぱい遊びに行っていた」
「遊びが過ぎて、周りは余計に止めとけ止めとけ言うてね」
それでも遊ぶことは大事だという。
「朝から寝るまでアイスノン乗っけて冷やしてね、そんな勉強の仕方やったら駄目なんです。それこそ続きません」
甲村さんは夜7時、8時になったら必ず勉強するのを止めた。
「(だって)遊びに行きたいから。ハハハ」
というのは半分建前で、本当の理由は集中力が落ちるからだそう。
「(辞めるときは辞める)そういう割り切りが大事。」
ついに司法書士試験に合格
そして2018年11月。
ついに司法書士試験挑戦に合格!
挑んだ回数はのべ7回。
取得までに費やした年数8年。
「中卒」
「元暴力団」
「4度の服役」
「年齢(40代後半)」
「周囲の反対」
常人であるならば心折れてしまうであろう場面でも「(司法書士は)とれないことはない。必ずとる!」
くじけることなく挑み続けた。
自分の信念を曲げずに挑戦を続けた結果だった。
ちなみに、司法書士はやはり法律を扱う仕事。
倫理にうるさく、当然ながら元暴力団というのはあまりいい印象を持たれない。
それでも「(暴力団だった)過去のことを考えて行動したことはない。(常に)堂々としていた。」という甲村さんは、自分の過去があって今があるという思いから包み隠さず、さらけ出しているという。
人間、強い覚悟を持って諦めずに挑戦し続ければ、成せないことはないと甲村さんは証明した。
次の目標は事務所を大きくしていくこと。
「人の権利を守る仕事。常に知識を蓄えないと」
日々の勉強は今も欠かすことはない。
最後に
「元暴力団」
「経営失敗」
「4度の服役」
「年齢(40代)」
普通、こんな状況下に置かれたら、絶望しか無い。
自他ともに自分の人生を諦めるのが一般的だと思う。
なにかに挑もうとする気力どころか、生きる気力すら湧いてこないはず。
通常「あの時、ああしていれば・・・」「もうおしまいだ・・・」「死ぬしかない」
↓↓↓
甲村さん「よっしゃ過去を悔やんでもしゃーないし、今日から法律の勉強しよ」
合格率3%
資格試験名を検索窓で調べると、予測変換に「難易度」が必ずと言っていいほど出てくる。
ということは、皆やはり自分が気になった試験がどれくらいの難易度なのか調べているわけですね。
その時「この試験の合格率は3%です」と出てきたら・・・大半の人はこう考えるはずだと思う。
通常「うわっ・・・きっつ・・・」「とても自分には無理だ。諦めよう・・・」
↓↓↓
甲村さん「何も考えてないから。いけるんちゃうかなって思って」「難しいからこそやりたかった」
取得までに費やした年数8年。
同じ試験に6回落ちる。
通常「また落ちた・・・」「こんなに頑張っているのに・・・」「もう無理・・・」「続けられる自信がない・・・」「自分には才能がない・・・」「この先どうしよ・・・」
↓↓↓
甲村さん「僕はしつこいから、諦めはしない」「とれないことはない。必ずとる!」
周囲から「無理」「無謀」と反対を受ける。
周囲の反応や評価は人間が最も気にする欲求の一つ。
誰しもが「承認欲求」を持っているはずで世間体を気にする。
「周囲に認められたい」「立派な人だと思われたい」「理解されたい」「バカにされたくない」と思っているはず。
その周りから「無理だ」「無謀だ」と言われるのは本当にキツイことだと思う。
まずメンタルが持たない。
通常「周りの言う通り無理だよな」「自分に価値はないのかもしれない」「周りが憎い・・・」「理解されずに苦しい・・・」
↓↓↓
甲村さん「(無理だと言われるのが)気に入らん。」
「学歴ないし」「まともな経歴じゃないし」「高齢だし」「俺なんかにはどうせ無理」「周りが反対してるし」
誰もがいろんなコンプレックスを持ち、壁にぶち当たり、常識に当てはめていろんなことを諦めていくのだと思う。
それが普通だと僕の常識では思う。
現に世の中には「中卒」ということだけで
人生に不安を覚え、死にたくなる人だっている。
甲村さんは「中卒」に加えて
「元暴力団」「経営失敗」「4度の服役」「年齢(40代)」「合格率3%」「6度の不合格」「合格するまで8年間」「周囲の反対」
という要素が加わる。
「死にたい」どころの問題ではない。
そもそもこの状況から法律を勉強しようと思えることがまず驚きだし、仮にそう思ったとしてもどうしたって不安と焦燥感に駆られて身が入らない。
「俺には無理なんじゃないか。無駄になるんじゃないのか。」という否定が必ず入る。
でも甲村さんは違った。
学歴・経歴がないことなど気にもしなかった。
年齢など気にしなかった。
過去にも囚われなかった。
周囲の雑音を全く気にしなかった。
過ぎ去った過去ではなく、未来を見ていた。
くよくよせず前に進むことだけ考えていた。
どんな状況下でも自分をアホほど信じて一切疑わなかった。
「なんかイケるんちゃうかなって思って」
そして切羽詰まって考えているわけでも、余裕がないわけでもなかった。
「カレンダーに赤丸がある日(土曜日、日曜日、祝日)は必ず命いっぱい遊びに行っていた」
「(だって)遊びに行きたいから。ハハハ」
普通は真似できない。
でも、だからこそ成功できたとも言える。
これが本当に自分で自分の人生を切り開いていける人のメンタリティーだと思った。
「強靭でブレない圧倒的なメンタル」「常識に囚われない考え方」「実行力」
甲村さんの人生を見ると、この3つが揃えばできないことは無いのかもしれないと錯覚させられる。
同じ環境下に置かれていてる両者がいたとして
「自分なんて過去がこんなんだし、周りからも反対されているし、自信もないし、挑戦するの恐いし、どうせ失敗するだろう」
と考える人と、
「過去は関係ない。周囲も関係ない。難しいからこそやる。なんと言われようができるまでやるだけ。」
と考える人では未来は大きく変わる。
自らの考え方と行動力によって人生・未来は大きく左右される。
そこを変えることができるだけで、なんとでも人生は変えていくことができる、切り開いていくことができる。
甲村さんの記事を読んでそんなことを学ぶことができた。
多分、これを読んでいるあなた自身も、きっとなにか感じることがあると思う。
「勇気をもらえた」「感動した」「自分も頑張ろうと思う」
「この人が特別なだけ」「才能があっただけ」「たまたま運が良かっただけ」
様々な見方や考え方があると思う。
何でも良いから、何かを感じてくれたらとても嬉しい。
最後に
甲村さんは「過去の失敗や挫折についてどう思うか?」と言われてきっぱりとこう答えている。
「僕ね頭の中でマイナスのことを処理しないんですよ。プラス思考やから」
「済んだことを考えたかてタイムスリップできるわけちゃうからね。」
「済んだことは済んだことでスパッと切っといて、次のステップ踏まなあかんから」
「過去を振り返ることはない。だから悩んだり悔やんだりそういうことはない」
「進むしかないんですよ。」
「進むしか無いのにマイナスのこと考える必要はない。進むことだけ考えたらいい」
「過去の失敗はこれから先の経験として生かされるから」